■キ・オ・ク

(;^ω^)「………」

その男は呆然と立ち尽くしていた。
そこは、暗く狭い真夜中の裏路地。

(;^ω^)「(記憶無くしたかも……)」

ついさっきまで何をしていたのか。
自分の仕事、年齢、名前まで忘れている。

彼は必死に考える。
が、やはり思い出せない。

(;^ω^)「痛ッ………(頭がじんじんする……)」

(;'A`)「待てー!!って待ってるのかよ!!そして何故に血が」

(;^ω^)「……え?」

彼は自分の後頭部を触ってみると、確かに血が付着していた。

(;^ω^)「てゆーか、あなた誰ですか?僕記憶を無くしちゃったみたいで」

………………

Σ(;'A`)「エエエエエェェェ!!」

(;'A`)「お前……自分のやったこと覚えてねぇのかよ?」

(;^ω^)「えぇ、まったく……」

('A`)「なら、署まで来てもらおうか……」

(;^ω^)「署?え?ちょっと!!」



―――某警察署

そこは、取調室。
机を挟んで彼とスーツ姿の男がパイプ椅子に座っている。
ドアの横にはもう一人スーツの男が立っていた。

('A`)「………確かに記憶喪失のようだな。検査の結果、そうらしい……」

彼は独り言をブツブツと言っている。
そして、持っていた紙の束を机に置いた。

('A`)「とりあえず、記憶が戻るまで病室で生活してもらうことになるから」

(;^ω^)「何故僕が?」

('A`)「それは追い追い説明していくから、とりあえず病院に入院だ。周りのことはすべて私の部下に任せてくれればいいから」

半ば無理やりに、彼は病院の個室に缶詰状態になったのだった。

 

( ^ω^)「暇だなぁ……」

病院に入れられて、翌朝のことである。
今日はあの刑事から説明を受ける予定だ。

('A`)「やぁ、よく眠れたかい?」

( ^ω^)「はい」

('A`)「早速だが説明を始めようか」

――――――――――――――――――――――――――――――――

( ^ω^)の名前は二階堂遼介【にかいどうりょうすけ】。
その日、彼は仕事場の工場にいた。
同僚の( ゚∀゚)藤木将太【ふじきしょうた】と口論になっていたのが目撃されている。

次の日、職場の者が冷たくなった藤木の遺体を見つけ、警察に通報した。
二階堂は消息を絶っていた。

その通報があった日、ある刑事が二階堂の捜索に加わった。
それが、('A`)天野和樹【あまのかずき】である。

夜中、彼が帰宅している途中に、二階堂がフラッと現れた。
天野は彼を追いかけたが、二階堂は逃げる。
一旦見失ったが、すぐに見つけた。
だが、その二階堂には記憶が無くなっていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――

('A`)「というわけだ」

(;^ω^)「な、なんだってー!!」

('A`)「なんか質問あるか?」

(;^ω^)「僕が犯人だという証拠はあるんですか?」

('A`)「殴った時についたと思われる血が君のジャンパーについていたよ。それは藤木氏のものだった。凶器だと思われる工具にも君の指紋が付いていたしね」

(;^ω^)「じゃあ僕は本当に……」

二階堂はベッドにもぐり込んでしまった。

('A`)「……まぁ、しょうがない……。見張り、頼むぞ」

(´・ω・`)「了解しました」

天野刑事は、二階堂を見張っている宇佐美刑事にそう伝え、出て行った。


―――その日の夜11時、病室
( ^ω^)「(僕が本当にやったかどうかわからないのなら、他に犯人がいるかも知れない……でも推理したくても情報が……そうだ!)」

( ^ω^)「宇佐美刑事、僕が起こしたらしい事件のこと詳しく知ってますか?」

(´・ω・`)「それって食えるのか?」

( ^ω^)「おやすみなさい」

・凶器は工具で、そこには藤木氏の血液が付いていて、僕の指紋も付いていた。
・僕の着ていたジャンパーには藤木氏の血液が付いていた。
・僕は天野刑事に追いかけられて、逃げたらしい。

( ´ω`)「これじゃやっぱり犯人は僕なのか……」

彼は静かに眠りに落ちていった。

 

「コレは組織が密かに開発したクスリだ。飲んだ者は証拠が残らずに死ぬ」
「さすがジンのアニキ、やることが違いますぜ」



―――朝

ガバッ

(;^ω^)「夢……?何故に夢でコナン!?まぁいいや…」

朝食を病室で済ませる。
食事中、宇佐美刑事が羨ましそうに見てきた。
( ゚ω゚)「(まさかこの人変態か?)」

すると、天野刑事と白衣を来た人が現れた。

('A`)「やぁ。今日は診察を見に来た。こちらは診察してくださるドクターの新出先生だ」

(*^ー^)「新出ですぅ。よろしくお願いしますぅ」

( ^ω^)「よろしくです。(またコナンじゃないか……)」

(*^ー^)「では早速診察しますねぇ」

それから1時間くらい二階堂はよくわからない機械に入れられたりして大変だった。


(*^ー^)「残念ながらまったく記憶は戻ってませんねぇ……」

( ^ω^)「そうですか(それならそれで捕まらないからいいけどさ)」

('A`)「そういえば、二階堂はどうやって記憶を無くしたかわかっちゃったりしますか、ドクター新出?」

(*^ー^)「後頭部に血が付いていたのでしたら殴られたときに脳に何か影響があったのではないでしょうか?」

('A`)「二階堂………なんで記憶無くしたんだよ………面倒くさいなぁ」

(;^ω^)「ちゃんと捜査してください!!」

('A`)「わかったわかった。ちなみにこのドクターはオカマだから要注意」

天野は二階堂に耳打ちをした。

(#^ー^)「どうかしました?」

(;^ω^)'A`)「な、なんでもありません!」

そして2人は帰って行った。
やはり病室には宇佐美刑事と二階堂だけ。

(´・ω・`)「僕知ってるよ、犯人」

(;^ω^)「え!?は!?なんでそんなこ

(´・ω・`)「うそ」

( ゚ω゚)「お母さん、今僕はこの人を蹴りたくなったよ」



―――時が流れるのは早いもので夜9時

『先日逮捕された密輸組織[銀狐]の首謀者、新巻裕【あらまきゆたか】は、密輸されていたクスリの効果を事情聴取の際に発表した模様です。そのクリスは麻薬とは違い、人間の脳に影響を与えると言う発表が警視庁より………』

部屋に置いてあるテレビのニュースが言っていた。
警視庁の記者会見にはあの天野刑事も出席していた。
その事件も捜査していたのだろう。

( ^ω^)「人間の脳に……影響?」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

('A`)「そういえば、二階堂はどうやって記憶を無くしたかわかっちゃったりしますか、ドクター新出?」

(*^ー^)「後頭部に血が付いていたのでしたら殴られたときに脳に何か影響があったのではないでしょうか?」

('A`)「二階堂………なんで記憶無くしたんだよ………面倒くさいなぁ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(;^ω^)「まさか僕はこの組織の実験台に!?」

( ^ω^)「そんなわけない、そんなわけない」



―――その日の夜遅く

( ^ω^)「寝られないし、のどかわいた。缶コーヒーでも買ってこよう」

ベッドから出ようとして、窓枠に置いてあるビンが月に照らされているのを見つけた。
[ポポビタンD]と書いてある。

( ^ω^)「きっと飲んでもバレないバレない」

彼はポポビタンDを一気に飲み干した。
すると、急に眠くなり、不自然な格好で寝ることになった。



―――次の日、朝

( ^ω^)「もしもし、天野刑事ですか?今すぐ僕の病室に来てください。えぇ……では」

天野刑事の名刺を手に病院の公衆電話から電話をかけた。
20分もしないうちに天野刑事は到着した。

( ^ω^)「天野刑事、真犯人がわかりました」

('A`)「何言ってんだよ。この状態じゃどう見たってお前が

( ^ω^)「真犯人は天野刑事、あなたですね?」

('A`)「な……」

( ^ω^)「あなたは藤木さんを殺しに行った。だが、その日は夜中なのに2人で何か口論している。それが藤木さんと僕だ。そこで、今回の計画を思いついた。あなたはまず藤木さんを殺した。そして、僕に電話を掛けた。刑事なんだ。呼び出すのも難しいことはないでしょう」

('A`)「………」

( ^ω^)「あの裏路地を僕と歩いていたあなたは、缶コーヒーを飲ませた。密輸組織[銀狐]から押収した、あのクスリを溶かしたものを。そして僕は記憶を失い、気絶していた。頭を殴り、それが記憶喪失の原因に思われるようにした。そして、追い掛け回したことを装った」

( ^ω^)「ジャンパーに付いた藤木さんの血。これは気絶している間につければいい。見つかった凶器についていた指紋。先日、僕は見知らぬ人の落としたあの工具を拾って渡した。そうでしょう?」

('A`)「……なんでそんなことまで……」

( ^ω^)「残念ながら、目撃者が1人います」

('A`)「そんなもんとっくに捜査したが1人も……」

( ^ω^)「それは、僕ですよ。昨日、窓枠に出現したポポビタンDを飲んだら、なぜか記憶が戻りましてね」

Σ('A`)

( ^ω^)「藤木さんに恨みでもあったんですか?」

('A`)「アイツは高校時代の親友だった。この前、街で偶然見かけて話しかけようとしたら、アイツ、俺のことを悪口言ってたんだよ。お前に向かってな。失望したよ」

( ^ω^)「残念です。宇佐美刑事、後はよろしくお願いします。僕は家に帰りますね」

(´・ω・`)「あぁ、パパイヤ食いてぇ。鈴木でもいいから。時にドリアンもいいかも知れんがそこらへんは任せておけ」

最後まで意味不明な宇佐美刑事だった。

fin

 

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